どうしてもスーパーマンをリブートしたかった理由
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」観てきました!
映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(Batman v Superman: Dawn of Justice) 」とは
ザック・スナイダー監督によるスーパーマンの実写化映画「マン・オブ・スティール(2013)」の続編である。スーパーマン役は前作に引き続きヘンリー・カヴィル。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」序盤のあらすじ
少年時代のブルース・ウェインは、突然の凶行により両親を失うことになった。傷心の彼は、迷い込んだ洞窟の中でコウモリの飛ぶ姿に魅せられる。
その後、彼はバットマンとなり、長年ゴッサム・シティで戦って来た。
そして、スーパーマンとゾッドが戦い壊滅的な被害が発生している現場に居合わせていた…。
基本的に以下の感想は結末を含む部分などのネタバレなしの方向で書いています。
しかし、日本ではあまり馴染みのない「ジャスティス・リーグ」に関する記述を含むため、今回は(ネタバレ考察あり)としました。
スーパーマンのリブートと「ジャスティス・リーグ」の必要性
スーパーマン再生の動きは遅かった。
1989年、ティム・バートン監督による「バットマン」がヒットしたのち、「X-メン」「スパイダーマン」「アベンジャーズ」など、アメコミヒーローの実写化が1大ビジネスとなったにもかかわわらずである。
そして「バットマン」は、以降7本の実写映画が作られ、リブートにより既に2周目も終わったというのにである。
理由は、そう、スーパーマンはデザインがダサいから。
赤と青の原色のスーツにマント、そして何より致命的なのは古めかしい髪型の頭部がむきだしなところであろう。
スーパーマンの始まりは1938年。
DCコミックス社からの漫画雑誌アクション・コミックスからスタートしている。
そのため、スーパーマンのデザインは、78年前のセンスであり、古臭いのは仕方ない。
しかし、アメコミヒーローが実写化されるにあたっては、たとえ元のデザインが古かろうと、実写で格好良く見えるようにアレンジされるのが当たり前。
ではあるのだが、スーパーマンにおいてはこれが難しい。
理由は、デザインのダサい部分が、そのままスーパーマンのデザインのアイデンティティであるからだ。
つまり、ダサい部分を修正すれば、それはすなわちスーパーマンに見えなくなるというジレンマを抱えているのだ。
それなら別に、無理してスーパーマンをリブートしなくても、他にヒーローはたくさんいるではないか。
そう考えるのが普通だろう。
しかし、それでも、どうしても、スーパーマンをリブートしたい事情があったのだ。
それが、「ジャスティス・リーグ」の存在である。
アメリカには二大コミック出版社が存在する。
それが前述の「DCコミックス」と「マーベル・コミックス」である。
マーベル・コミックスの「アベンジャーズ」は、マーベル・コミックスに登場する様々なヒーローが同じ世界に存在する設定で、映画化もされ、大ヒットを飛ばしているのはご存知の通り。
一方の、DCコミックスにおいても、実は同様のチームが存在する。
それが「ジャスティス・リーグ」である。
(ちなみに「ジャスティス・リーグ」の初出は1960年。「アベンジャーズ」の初出は1963年である。)
そして、ジャスティス・リーグの中心となるヒーローこそ、スーパーマンとバットマンなのだ。
2006年に、「X-MEN: ファイナル ディシジョン」の監督を蹴ってまで、ブライアン・シンガー監督が「スーパーマン リターンズ」を作るも、続編が作られるまでのヒットには至らなかった。
そして、2013年、バットマン・ダークナイト3部作のクリストファー・ノーランが制作、ザック・スナイダー監督が作り上げたのが、リブート・スーパーマン「マン・オブ・スティール」である。
前述したように、本作「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」は、「マン・オブ・スティール」の直接の続編にあたる。
「マン・オブ・スティール」にあたり、スーパーマンのデザインはそのアイデンティティを失わないギリギリのところまでアレンジされた。
明度を落とした色彩、スーツ表面のテクスチャーや細かいディテール、そして、現在の目ではまるで冗談にしか見えない赤いブーメランパンツ部分の廃止。
それでも、そこそこダサいデザインではあるのだが、まぁ何とか見れるレベルになったと言えた。
スーパーマン vs バットマン:圧倒的な実力差と対峙
「マン・オブ・スティール」は、当然「ジャスティス・リーグ」の展開を視野に入れていた。
それは、本作「バットマン vs スーパーマン」の冒頭から、「マン・オブ・スティール」の最後の闘いをブルース・ウェイン=バットマン視点のカットで用意していることで明らか。
何といっても、前回は主役であったスーパーマンが、「バットマン vs スーパーマン」では冒頭から人々から非難の的として登場するという入り口が衝撃的。
そもそも「マン・オブ・スティール」の最後の闘いでは、観客はスーパーマンとゾッドの闘いの行方よりも気になっていた部分があるはずだ。
「いや、もっと一般人のいない荒野とかに行って闘えよ…」
正義だの地球を守るだの大義名分はおいといて、周囲の損害を考えない超人同士の闘いはもはやテロ。
その部分をそのままストーリーの主軸に据えているわけである。
この辺はさすがに巧い。
そして、冒頭のブルース・ウェイン少年時代の描写から、バットマンは3周目に突入したことが分かる。
新たにバットマン役として起用されたのはベン・アフレック。
すでにバットマンとして長年ゴッサム・シティを守ってきたという設定から、いぶし銀のバットマン像になっている。
また、ダークナイト3部作から、ゲーム版アーカム・ナイトを経て、デザインが一新されたバットモービルやバットウイングもカッコイイ。
そして、バットマン自体もデザインが一新された。
さらにスーパーマンに対抗するべく「アーマード・バットマン」が登場する。
もっさりとしたデザインではあるが、これは仕方ないだろう。
スーパーマンはクリプトン星出身の異星人であり、そのパワーは地球人とは比較にならない。
身体能力はものすごいし、空を飛べば大音響とベイパーコーンが発生。音速を超えていることが分かる。
対するバットマンは強いと言っても生身の人間である。
ゴッサム・シティを中心としたバットマンワールドにおいて、そもそもバットマンも敵の怪人も、全てコスプレをした生身の人間。
ちょっと頭のおかしいコスプレした犯罪者を、大富豪のバットマンが趣味で懲らしめているというのが基本プロットだ。
スーパーマンのワンパンチでバットマン即死というのが実際の差である。
というわけで、何とかスーパーマンに対抗するべくデザインされたのがアーマード・バットマンであろう。
もっとも、それでもその実力差はいかんともしがたいと思うが…。
この差がありながら、スーパーマンとバットマンがいかに対峙するのか。
そこは実際に観て確かめて欲しい部分である。
ストーリー構成と期待されるジャスティス・リーグ
今回の「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」は、「マン・オブ・スティール」の続編ではあるものの、「ジャスティス・リーグ」の1作目であり、3周めに入った新バットマンのキャラクター構築のため、序盤のストーリー展開は遅い。
しかも、そこまで複雑なストーリーではないのに、夢オチや不必要な描写を加えて、どうにも話がもたついている印象を受ける。
しかし、そこから後半にかけて、一気にストーリーが加速していく感覚がカタルシスを生んでいる。
これはおそらく怪我の功名であると思う。
もし、これが狙いなら逆にスゴイ(笑)
そして、とにかくワンダーウーマンが音楽含めてカッコイイ!(笑)
完全に主役を喰っている。
というわけで、観終わったあとにはスッキリ気分の「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、アベンジャーズを中心としたマーベル・ユニバースとの差を比較してみるのも面白いだろう。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」は、既に続編の制作が決定し、また、次回作に向けての伏線も本編に含まれている。
しかし、エンドロール後の予告的なカットとか、そういったファンサービスは用意されていなかった。
この辺はまだマーベルが一枚上手か。

“もしもし、スターク・インダストリーズですか?”
“私はアイアンマンをカスタマイズオーダーしたい”
“色は黒、耳を付けて、コウモリの耳です”
