「ダークナイト ライジング」感想(ネタバレなし)

「ダークナイト」3部作をまとめる見事な完結編


※ジャケット画像はAmazonリンクを使用しています。

「メメント」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督の最新作「ダークナイト ライジング」観てきました。

早速のレビューです。

スポンサーリンク

注:基本的に以下の感想はネタバレなしの方向で書いています。ただ物語は何でもそうですが、一切予備知識を入れない方が当然楽しいので、その点はご了承ください。

さて、本作はクリストファー・ノーラン監督による「バットマン ビギンズ(1)」「ダークナイト(2)」「ダークナイト ライジング(3)」からなる3部作の完結編。

上映時間もどんどん増えていき、「ダークナイト ライジング」は165分。

完結編にふさわしく長尺の大作に仕上がっており、さらっと観るような作品ではない。

「バットマン ビギンズ(1)」では、それまでのバットマンシリーズから一新、クリストファー・ノーラン監督による新たなバットマン誕生までのストーリーが描かれた。

そして前作「ダークナイト(2)」では、強敵ジョーカーとトゥーフェイスとの闘いの末、ハービー・デント殺害の罪をかぶったブルース・ウェイン=バットマン(クリスチャン・ベール)がゴッサム・シティを離れるという衝撃のラストで幕を閉じた。

ブルース・ウェインはどこへ行ってしまったのか?その後のゴッサム・シティはどうなってしまったのか?

それらの謎を引き継いだ直接の続編として描かれているので、基本的には「ダークナイト(2)」を観ていないと話が繋がらない。

さらに驚いたのは、今回「ダークナイト ライジング(3)」には「バットマン ビギンズ(1)」からのネタもかなり盛り込まれていたこと。

前2作を未見、もしくは忘れてしまった方は、復習してから観ることをオススメします。

「ダークナイト(2)」で故ヒース・レジャーが演じて絶賛されたジョーカーに代わり、今回バットマンに立ちはだかるのはベイン。

演じるのは「インセプション」で注目されたトム・ハーディ。

トレッキーには「スタートレックX ネメシス」のシンゾンと言えば分かると思うのだけれども、シンゾンはスリムな体型だったのに対し、今回のトム・ハーディはベインの役作りで大幅にウェイトを増やしている上に覆面をしているので言われないで気付くのはムリでしょうな。

ジョーカーが、「ダークナイト(2)」で絶賛されたために、どうしても比べられてしまうと思うが、僕は今回のベインという選択は成功していると思う。

パワーと知性を併せ持つ覆面テロリストというキャラクターに、その独特の形状のマスクから発せられる機械音声。

ジョーカーとタイプも違うし、バットマンを苦しめる最後の敵としていい選択だったのではないだろうか。

そして、クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」シリーズで特筆すべきはゴッサム・シティの造形。

ゴッサム・シティはニューヨークをモチーフにしたバットマンシリーズの架空の都市だが、「ダークナイト」シリーズ以前のバットマンシリーズでは、コミック出自であることを意識してか、そこに独特のデザインが施されていた。(僕の場合、そのテーマパークのようなデザインも楽しみの一つだったが)

しかし、「ダークナイト」シリーズのゴッサム・シティは、普通のアメリカの大都市であり、そこに過剰な造形は一切ない。

そこはヒーローコミックがないパラレルワールドであり、バットマン達が存在すること以外に現実との差はないように見える。

だからこそ、病院を爆破するジョーカーや、テロ活動を行うベインが怖いのだ。

この、現実と地続きの世界観の中に、バットマン達のキャラクターを置くってのが、クリストファー・ノーラン監督の狙いなのではないかと思う。

ベインも覆面以外はごく普通の衣装で過剰な装飾はなく、あくまでリアル志向でデザインされているし。

そして、そのリアル感を裏打ちするのが、「ダークナイト(2)」「インセプション」などから続く鮮烈なビジュアル。

今回も、序盤からものすごいシーンの連続で、素晴らしいとしか言いようがない。

本来、バットマン達のキャラクターを現実空間に置いたら浮いて見えるところなのに、この徹底的にリアルな画面作りでそれを感じさせないところはさすが。

ストーリーは前述の通り、「バットマン ビギンズ(1)」「ダークナイト(2)」からの伏線を引き継ぎ、序盤は断片的に語られるストーリーに付いて行くのがやっとというくらいのハイペースで進む。

そこに、セリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)やジョン・ブレイク(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)といった新たなキャラクターが加わり、やがて全てのキャラクターやストーリーが大きな流れにまとまっていく…。

「バットマン ビギンズ(1)」の段階で、ここまで考えていたのかは分からないが、完結編として見事なストーリーだと思う。

それに、ブルース・ウェイン=バットマン(クリスチャン・ベール)を始めとする今までのキャラクターの俳優が交代することなく完結編が終わったのも非常に良かった。

まぁ大人の事情で映画続編で俳優が交代することって良くあるけれど、やっぱり分かっていても、観客側としてはテンション下がるからね。

余談だが、「ダークナイト ライジング」にはクリストファー・ノーラン監督の前作「インセプション」からも俳優が多数出演している。

「インセプション」未見の方は、「ダークナイト ライジング」の後に観てみると面白いかも知れない。

そして、以前に『「インセプション」感想』でも書いたのだけれど、今回も「インセプション」同様にラストの切り方にうなった。

ここで切るか、絶妙!

このラストのあと、どうなっていくのかという観客の想像力をかきたて、余韻を残す非常にいい瞬間だと思う。

というわけで、「ダークナイト(2)」を楽しんだ方は、「ダークナイト ライジング(3)」を観なければ終われない!オススメです。

「ダークナイト ライジング」感想イラスト

私が主役だ!