「X-MEN:アポカリプス」感想(ネタバレなし)

新3部作完結編にして第1作目に繋がる物語

※ジャケット画像はAmazonリンクを使用しています。

映画「X-MEN:アポカリプス(X-Men: Apocalypse)」とは

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション(X-Men : First Class)」「X-MEN:フューチャー&パスト(X-Men : Days of Future Past)」に続く、新3部作の3作目にして完結編。

監督は、「X-メン(X-Men)」「X-MEN2(X2)」「X-MEN:フューチャー&パスト(X-Men : Days of Future Past)」のブライアン・シンガーが務める。

「X-MEN:アポカリプス」序盤のあらすじ

古代エジプト。ミュータントであるエン・サバー・ヌールは神として君臨し、自らの魂を他のミュータントに移すことにより生きながらえてきた。

今まさに魂を移す儀式を行おうとした時、反乱者たちの妨害に遭う。

ミュータントの従者が彼を守ろうとするが、エン・サバー・ヌールはそのまま生き埋めになり、長い眠りにつくことになった…。

前田邦彦の感想

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(注:基本的に以下の感想はネタバレなしの方向で書いています。ただ物語は何でもそうですが、一切予備知識を入れない方が当然楽しいので、その点はご了承ください。)

本作「X-MEN:アポカリプス」は、前作「X-MEN:フューチャー&パスト」のエンドロール後の映像にて、その存在が予告されていた。

「X-MEN:フューチャー&パスト」公開時から、ネットでは「次はアポカリプスだ!」という情報が飛び交い、早くも次回作への期待が高まっていた。

前作から2年という、映画では比較的早い間隔での公開となった本作を、僕も心待ちにしていたわけである。

今回の敵として立ち塞がるのは、前作のエンドロール後の予告映像で登場していたアポカリプス。

X-MENたちミュータントと呼ばれる能力者の存在が広く知れ渡るようになったのは、1970年代以降である。

しかし、それ以前にミュータントは存在していなかったのか?

実は、ミュータントは太古の昔から存在し、過去には神として君臨していた。

それが、アポカリプスことエン・サバー・ヌールである。

なるほど、と思わせる巧い設定であると思う。

当然ながら、強力な能力を持ち、黙示録の四騎士(フォー・ホースメン)を従えて、世界の破壊と再構築を目論む。

さて、現在、様々なスーパーヒーローものの映画が乱立している状態である。

しかし、スーパーヒーローを現実的に考察すると、ある問題に直面する。

それを、便宜的に、

「スーパーヒーロー問題」

と呼んでみる。

スーパーヒーローは、世界の平和を守ってくれる頼もしい存在である。

しかし、もともと世界には公(おおやけ)の国連や警察という機関が存在している。

では、スーパーヒーローは、一体、誰の許可を得て、何の権限を持って、世界の平和を勝手に守っているのか?

これが「スーパーヒーロー問題」だ。

たとえ、スーパーヒーローが正しいと判断していても、それは果たして皆が支持するに値するものなのか?

それは、そのスーパーヒーローの偏った判断ではないのか?

奇しくも、今年公開された「バットマン vs スーパーマン」「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でも、この問題がストーリーの根幹を成している。

また、これまでも「アンブレイカブル」「ミスター・インクレディブル」など、スーパーヒーロー問題をテーマに扱った作品は少なくない。

なぜかといえば、スーパーヒーローという虚構の存在であっても、「もしもスーパーヒーローが実在したら?」という説得力のある話を考えれば、必ずこの壁にぶち当たらざるを得ないからだ。

しかし、そうは言っても、観客である我々からすれば、このスーパーヒーロー問題は繰り返されすぎて、もはや食傷気味。

またか、とテンションが下がってしまうのも事実である。

X-MENの秀逸なところは、ミュータントというマイノリティ(社会的少数者)と、普通の人間というマジョリティ(社会的多数者)の対立が、そのまま設定の根幹を成しているところ。

つまり、スーパーヒーロー問題がそのまま設定の中心になっているため、改めて議論する必要がない。

人類とミュータントの共存を模索するプロフェッサーXとX-MEN、そして、それに対立する敵という構図が基本設定であり、その時によってキャラクターの所属も違うわけである。

そう、X-MENはスタート時点から常にシビルウォー状態なのだ。

今回の「X-MEN:アポカリプス」は時間軸を考えると、「X-MEN:フューチャー&パスト」と第1作の「X-メン」の間に位置する。

このキャラクターが、ここでこういう風に関わってくるのかという驚きがあり、非常に面白い。

しかし、残念ながら本作「X-MEN:アポカリプス」は、「X-メン」の前日譚であるために、最終的にどうなるかということは予想できてしまう。

たとえば、スター・ウォーズEP1~EP3で、ストーリーがどう転んでもアナキンがダース・ベイダーになることが予想できてしまうのと同じである。

これが前日譚の弱点であり、僕が基本的に前日譚が好きでない理由でもある。

そのため、この間に何があったのかという、ミッシング・リンクがどう繋がるのかという楽しみ方に頭を切り替えるしかない。

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」から始まる新3部作は、2作目である前作「X-MEN:フューチャー&パスト」が、とにかく素晴らしい出来だった。

そのため、それらを締めくくり、なおかつ第1作の「X-メン」に繋げる完結編という立ち位置である本作「X-MEN:アポカリプス」を、前作と比べるのは少々酷であると思う。

映画の3作目の難しさは、監督自ら自虐ネタとして盛り込んでいる通りである(笑)

しかし、それでも相変わらず高いレベルでまとまっていて面白いし、映像面でも前作に劣らない素晴らしいシーンが用意されている。

相変わらずクイックシルバーが最高(笑)

そして、アポカリプスという、神として君臨していた最強の敵に対しての結末も、なるほど、やはりそうなのかという、非常に納得できる結末になっているのは、さすがとしか言いようがない。

さて、そんなX-MENシリーズであるが、前述の通り、新3部作は、本作「X-MEN:アポカリプス」にて完結。

前作では、エンドロール後に、次回作である本作の存在が示唆されていたわけだが、今回の予告映像は観てのお楽しみ。

次回作は、2017年公開予定の、スピンオフ作品であるウルヴァリン第3弾となる。

さらに2018年には、これまたスピンオフ作品のガンビット(原題)の公開も予定されている。

「X-MEN アポカリプス」感想イラスト

僕の今回の一推し(笑)