「トゥモローランド」感想(ネタバレなし)

地球の未来のために、考え、行動することをやめてはいけない(ド直球)


※ジャケット画像はAmazonリンクを使用しています。

「トゥモローランド(Tomorrowland) 」とは

「Mr.インクレディブル」「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」のブラッド・バード監督による2015年のディズニー映画である。

「トゥモローランド」序盤のあらすじ

1964年のニューヨーク万国博覧会。フランク・ウォーカー少年は自身の発明である未完成のジェットパックを発明フェアに出品するためにやって来た。

そこで、彼は不思議な少女、アテナからTの文字がデザインされたピンバッジを贈られる…。

現代のフロリダ。ケイシー・ニュートンは、自分の荷物に紛れていたTの文字がデザインされたピンバッジを見つける。

そのピンバッジに触れた瞬間、そこには見たこともない「トゥモローランド」が広がっていた…。

前田邦彦の感想

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(注:基本的に以下の感想はネタバレなしの方向で書いています。ただ物語は何でもそうですが、一切予備知識を入れない方が当然楽しいので、その点はご了承ください。)

まず、最初に言っておきたいのが、この「トゥモローランド」は子供向けの作品である。

おそらくターゲットは小学校3年生から中学校1年生くらいまで。

ピクサーのアニメーション作品や、ディズニーの「アナと雪の女王」「マレフィセント」などの作品のように、子供を映画館に連れて行った大人も一緒に観てそれなりに楽しめるといった作品である。

そういった意味では、「トゥモローランド」は文句の付け所がない。

狙ったところに的確に良いボールが来ている作品と言える。

本作の監督はブラッド・バード。元は「アイアン・ジャイアント」「Mr.インクレディブル」などのアニメーション作品の監督であったが、前作「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」から実写作品に転向した。

そもそも3DCGというのは、コンピューターの中にキャラクター、オブジェクト、ライト、カメラなどを配置して作成するもので、実写とそう変わらない構造になっている。

そのため、アニメーション作品の優れた監督であったブラッド・バードは、実写でも優れた手腕を発揮している。

「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」は「M:i:III」で過剰気味だったバイオレンス描写を抑えながら、かつシリーズの爽快感を失わない優れた作品であった。

「トゥモローランド」は、エンドロールの作り方などは「Mr.インクレディブル」のテイストで、また本作では監督だけでなく製作も行っていることから、ブラッド・バード監督は、こっちの方向の作品を作りたいんだろうなと思う。

「トゥモローランド」で特筆すべきは、少年期のフランク・ウォーカー(トーマス・ロビンソン)がトゥモローランドに最初に到着した際のシークエンス。

自分の発明品であるジェットパックを抱えつつ、見知らぬ世界に迷い込み、セキュリティのロボットに追い回されて高所から落下、ロボットが故障しているものと勘違いして修理した結果、完全版となったジェットパックをなかなか装着することができずに高々度から落下を続け、次の瞬間には雲の切れ目から現れた高層建築物の鏡面反射によって、自分の姿を確認して誇らしく思い、さらにトゥモローランドの全景を見渡し、また雲の中に入ると、今度は地面が近づいていてピンチは続く…。

このような一連の流れをイメージし、それを描写しようと思ったら、昔なら宮崎アニメのような優れたスキルがないと実現しえなかっただろう。

今は、これをCGとの合成を使って実写ベースで描写してくるのだからものすごい。

また、主人公ケイシー(ブリット・ロバートソン)が初めてピンバッジを入手するシーンで、モニターに映しだされている映像であったり、彼女の出現によって地球の未来の確率が変動するシーンであったりと、全編に渡り台詞ではなく映像で内容を矢継ぎ早に理解させる演出が巧い。

キャスティングは、ジョージ・クルーニーを主演と前面に押し出してくるのは、「A.I.」の主演がジュード・ロウと言っているようなもので違和感があるが、彼がいることで作品が締まっていることは確か。

また、少年期のフランク・ウォーカーと、現在のフランク・ウォーカー(ジョージ・クルーニー)、ケーシーを導く謎の少女アテナ(ラフィー・キャシディ)も可愛いし、キャスティング全般が非常に良いと思う。

問題点としては、「トゥモローランドの正体」と「なぜ、トゥモローランドが衰退しているのか」の部分が若干分かりにくいこと。

しかし、前述のとおり内容を説明することに関しては、むしろ巧い部類に入る作品なので、これは意図的なものだと思う。

実際、小学校3年生くらいになれば、映画を観終わったあとに作品を何度も頭の中で反芻し、結果「あれは、きっとこういうことだったんだ!」というユーレカに至ることがあるわけで、これくらいの難易度と、想像力の余地を残しておくということは、むしろ望ましい仕掛けだと思う。

「トゥモローランド」を観て、僕にもそういう時期があったな、と思い出した次第である。

もし、あなたが大の大人で、この作品の内容がまったく分からないというのであれば、それは作品ではなく、あなたの読解力に問題があると言わざるをえない。

「トゥモローランド」のテーマは「地球の未来のために、考え、行動することをやめてはいけない」とド直球。

そのためティーン・エイジャーくらいだとむしろ気恥ずかしい内容なのかもしれない。

やはり本作は、子供連れの親子が観るべき映画だろう。

いつも子供に言われるがまま映画を選択しているお父さんお母さんは、たまにはこういう映画で子供の意表を突くと、尊敬してもらえるのではないか(笑)

また、大人の観客ならば、こういった映画を観て「分かっちゃいるけど現実はね…」なんて、人生諦めた愚痴がつい口をついて出るのならばヤバイのではないかと思う(笑)

そんな貴方には「LIFE!」がオススメ(笑)

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