「真夏の方程式」感想(ネタバレなし)

前作「容疑者Xの献身」路線を踏襲している


※ジャケット画像はAmazonリンクを使用しています。

映画「真夏の方程式」観てきました。

かなり遅れてのレビューです…。

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注:基本的に以下の感想はネタバレなしの方向で書いています。ただ物語は何でもそうですが、一切予備知識を入れない方が当然楽しいので、その点はご了承ください。

「真夏の方程式」とは「容疑者Xの献身」に続く「ガリレオ」劇場版の第2弾。

「真夏の方程式」公開に先駆けて、東野圭吾原作の「ガリレオ」シリーズの第2シーズンもテレビで放映された。

キャストが一部変更になったせいか、若干テイストが軽くなった印象の「ガリレオ」第2シーズンだったが、「真夏の方程式」は前作「容疑者Xの献身」と同じく、西谷弘監督の手によるもので、テレビシリーズとは異なり堅実な作りという印象を受けた。

「真夏の方程式」に先駆けてスペシャル枠で放送された「ガリレオXX 内海薫 最後の事件」も同様に西谷弘監督の手によるもので、「容疑者Xの献身」や「ガリレオXX 内海薫 最後の事件」をご覧になった方には、何となく本編とのテイストの違いをイメージしてもらえるのではないだろうか。

東野圭吾原作の「ガリレオ」シリーズは、現在、「探偵ガリレオ(1)」「予知夢(2)」「容疑者Xの献身(3)」「ガリレオの苦悩(4)」「聖女の救済(5)」「真夏の方程式(6)」「虚像の道化師 ガリレオ7(7)」「禁断の魔術 ガリレオ8(8)」が出ている。

そのうち、「容疑者Xの献身(3)」「聖女の救済(5)」「真夏の方程式(6)」が長編で、その他は短編集である。

僕は現在の時点で、「聖女の救済(5)」までの原作を読んでいる。

また「真夏の方程式」までにテレビで放映されたものは「ガリレオXX 内海薫 最後の事件」まで全てを観てから劇場に向かった。

つまり、「真夏の方程式」の原作は未読で劇場に行ったわけである。

物語は、主人公の帝都大学物理学准教授、湯川学(福山雅治)が、玻璃ヶ浦という美しい海の町に行くところから始まる。

「真夏の方程式」はタイトル通り、夏のイメージで作られていて、この辺りは冬のイメージである「容疑者Xの献身」と好対照を成している。

おそらく「真夏の方程式」を劇場に観に行く方は、多少なりとも「ガリレオ」シリーズに触れたことがあると思うのだけれども、仮にそうでなくても独立した物語として楽しめるようになっている。

事前に押さえておくべき伏線としては、湯川先生が子供嫌いで、子供と話すとじんましんが出るということくらいか。

柄崎恭平という少年と話したあとに、湯川先生が不思議そうに自分の腕を見るのは、本来なら出るはずのじんましんが出ていないということ。

さて、ガリレオシリーズの短編は基本的には、そのトリックの技術的な面がハイライトになる。

世の中、日々技術が進歩しているのだから、殺人事件のトリックも進歩しているのではないかということではないだろうか。

実際、湯川先生は「現象には必ず理由がある」と、トリックにのみ興味があり、犯人にも犯人の動機にも興味はない。

しかし、現在までのガリレオシリーズの長編3本は、トリックに目新しいものがないという特徴を持つ。

特に、劇場版の「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」は、トリックは凡庸だが、その動機が複雑であるのだ。

そのため、謎を解明するには、「トリック」よりも「動機」を理解する必要性が出てくる。

必然的に、理(トリック)vs 情(動機)という構図になるわけで、湯川先生にとっては、このような事件の方が難易度が高いのだ。

個人的には、「容疑者Xの献身」に比べ、これで良かったのかと思う部分も多い。

その辺は、登場人物がかなり多いので、描写不足になってる部分があるのかもしれない。

しかし、嘘が嘘と分かりながら、それでも全体像がなかなか見えてこない構成は面白い。

また、湯川先生が苦手なはずの子供との交流が、とても爽やかな印象を残している。

物語の構造は前述の通り、「容疑者Xの献身」を踏襲した路線なので、前作を楽しんだ方なら問題なく楽しめると思う。

※確か織田裕二出演って話だったけど…