「マレフィセント」感想(ネタバレなし)

真「眠れる森の美女」


※ジャケット画像はAmazonリンクを使用しています。

映画「マレフィセント」(原題:Maleficent)の字幕版を劇場で観てきました!

けっこうお客さん入ってた。

というわけで、早速のレビューです。

注:基本的に以下の感想はネタバレなしの方向で書いています。ただ物語は何でもそうですが、一切予備知識を入れない方が当然楽しいので、その点はご了承ください。

「マレフィセント」とは

ディズニーのアニメーション映画「眠れる森の美女」で、オーロラ姫に呪いをかけた魔女、マレフィセント。

そのマレフィセントを主人公に、眠れる森の美女を別の視点から描いたディズニーの実写作品である。

アニメーション映画「眠れる森の美女」に対するアンサー作品ともいえる。

序盤のあらすじ

かつて世界には人間の国と妖精の国が隣り合わせで共存していた。

妖精の国で暮らしていた若き日の妖精マレフィセントは、ステファン少年と出会い恋に落ちる。

しかし2人は成長するにつれて疎遠になっていった。

その頃、人間の国のヘンリー王は、妖精の国に侵攻を開始する…。

前田邦彦の感想

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「眠れる森の美女」をマレフィセントの視点から描いた本作「マレフィセント」は、オーロラ姫が生まれる遥か昔から物語がスタートする。

「眠れる森の美女」において、生まれたばかりのオーロラ姫は「16歳の誕生日の日没までに糸車の針で指を刺して死ぬ」という呪いをかけられる。

しかし、そもそもなぜ呪いをかけられるに至ったのか?

その辺りをマレフィセントを主人公にすることによって描いている。

また、マレフィセントが主人公になることによって前述の呪いの内容など、細部に若干の変更が見られる。

本来悪役であったはずのマレフィセントを主人公に変更することによって、新しい視点の物語を作り出している本作「マレフィセント」

その物語におけるアイデアは「ひっくり返す」ことである。

なぜこういった発想が必要なのかといえば、そもそも物語の類型は多くないからだ。

物語の類型はシェイクスピアによって分類され、そのアイデアは既に出尽くしているという説もある。

「ひっくり返す」「裏返す」はアイデア発想の基本だ。

例えば「ローマの休日」と「プリティ・ウーマン」は同じアイデアの裏返し。

恋に落ちる男女のどちらのステイタスが高いかという部分を裏返している作品である。

本作はマレフィセントを主人公にすることによって、呪いをかけた側にもそれなりに理由があったのだという物語になり、そこに新しい発想、深み、感動、を生み出している。

あ!そこ変えてきたか、なるほど!という部分もある。

本来は優しい妖精であったが、ダークサイドに堕ち、そして…というマレフィセントをアンジェリーナ・ジョリーが魅力的に演じている。

また、マレフィセントの心の変遷の鍵を握るオーロラ姫をエル・ファニングが演じており、こちらも説得力のある良いキャスティングだなと感心させられた。

全編がファンタジーなので見落としがちだが、VFXはデジタル・ドメインをはじめ実力のあるプロダクションが担当しておりそのクオリティは文句なしに素晴らしい。

マレフィセントの魔法によって眠らされ宙に漂うオーロラ姫の描写とか、なるほどなと感心することしきり。

また、ふんだんに登場するクリーチャーのデザインやクオリティも素晴らしいと思う。

映画「マレフィセント」は「眠れる森の美女」を再構成した作品であり、その舞台は昔話のファンタジーである。

しかし、悪役であった「マレフィセント」を主人公に据え、物語の視点をひっくり返してみせることで、現代的なテーマをも感じさせる作品となっている。

もっとも、そういった部分を前面に押し出している作品ではないので、深読みしなければ単純なエンターテインメント作品としてしか認識できないだろう。

そういった意味では、「アナと雪の女王」のあと、親子で楽しむ作品といったポジションか。

「マレフィセント」感想

眼力。

“眼力(メヂカラ)がスゴイ”