「アバター(3D)」感想(ネタバレなし)

映画の新たな地平線


※ジャケット画像はAmazonリンクを使用しています。

映画「アバター(3D)」観てきました!いやーこれはスゴイ。

アバターとは、「ターミネーター」のあと「エイリアン2」の監督に抜擢され、「ターミネーター2」の大ヒット、さらには「タイタニック」で、その年のアカデミー賞を総ナメ、さらには歴代興行収入第1位を打ち立てたジェームズ・キャメロン監督の久し振りの新作である。(ちなみに現在、この「アバター」が歴代興行収入第2位で、上位2位をキャメロン監督が独占している状態)

とはいえ、「タイタニック」(1997年)から既に10年以上が経過しているうえに、発表されたポスターには不気味な青い色をしたキャラクター、あまり興味をそそられない入口がそこにはあった。

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しかし、それでも劇場へ足を運びたいと思ったのは、この映画が、「3D」つまり立体映像で上映される映画だったからである。

僕は立体映像というものが大好きなのだ。

子供の頃に見た、つくば科学万博の立体映像に未来を感じ、以降もディズニーランドやユニバーサルスタジオなどのアトラクション映像を観て、技術的には完成しているはずの立体映像の映画がなかなか普及しないのはなぜなんだ、と思っていたのだ。

今までにも、立体映像を謳った映画が存在したことはあった。

しかし、通常の劇場で上映される立体映像の映画といえば、昔懐かしい赤青セロファンのメガネを用いたもので、フルカラーの立体映像を経験したあとに、わざわざ観たいと思わせるようなものではなかった。

そんなわけで、僕の場合は、監督や内容よりも「フルカラーの立体映像による映画」が観たいというモチベーションで劇場に向かったのだ。

普段、絶対に吹き替え版を観ない僕だが、今回はもしかしたら字幕が立体映像に悪影響を及ぼすかもとさえ考え、吹き替え版をチョイス。

どんだけ立体映像を堪能したいねん!というツッコミさえ聞こえてきそうな状態。

ただ、吹き替え版でも、一部字幕による処理がなされている部分があり(惑星の現地の言語)、そこで立体映像の字幕も体験出来た。

その字幕は画面右方向に縦に出ており、日本語字幕は画面下に横書きで出るので、その辺の違いは検証出来ていない。

しかし、とくに問題は感じなかった。

僕が今回座った席で、立体映像を視るのに一番邪魔だと感じたのが、画面下のフレーム。そこに視線を動かすのは良くない感じ。

ストーリーに行くまでが長い…。いや基本ネタバレしない方向なんでストーリーのレビューが欲しい方は他のサイトに行った方がいいかも(汗)

さて、入場の際に、入り口で立体映像用のメガネが渡される。

あれ…レンズの色がダークグリーンっぽいな。これで映画観たら彩度落ちないのか?…と思う。

しかも、内側にフタのような部分があるし、やたら重い。

これは何か機械的なものが仕込まれてるのか!?

アトラクションの時に渡されるものと比べて、やたらにゴツくて重いメガネ。

実際、映画を観終わったあとには、鼻にクッキリとメガネの跡が残っていた…。

さて、映画スタート。

予告から飛び出して来る!おお!

アバター感想イラスト

目の前に飛び出すアバターの立体映像

ただ、アトラクション映像のように目の前までオブジェクトがせまってきて、思わずよけてしまうほど近づいて来るわけではなかった。

これは、立体映像に特化して設計されているアトラクションの設備と映画館の違いなのか、あるいは演出意図によるものかは分からない。

まぁ20分程度のアトラクション映像のように、目の前にオブジェクトがせまってきて驚かされるってのを、映画で2時間近くだと疲れるかもしれない。

しかも「アバター」の上映時間は161分。けっこう長め。

しかし、不安に思っていたレンズの色による影響はなかった。

ちゃんとメガネをかけて観た状態で非常にキレイな色合いになっていた。

さて、ざっくりストーリーの入口を説明すると、舞台は地球から遠く離れた衛星パンドラ。

戦争で負傷し、下半身不随になった元海兵隊員の主人公ジェイク(サム・ワーシントン)は、急死した双子の兄の代わりとして、パンドラのアバター・プロジェクトに参加。

アバターとは、現地のヒューマノイドであるナヴィと地球人のDNAから作られた人工生物で、特殊な装置により地球人の意識を移し、遠隔操作できるボディである。

アバターに意識を移したジェイクは、久しぶりに自分の脚で歩く感覚を味わい、その任務に参加することになる…。

「タイタニック」で、豪華客船タイタニック号内部の調度品まで完全再現することにこだわり、当初の映画制作予算が底をついたあと、私財を投入して破産しかけたという伝説を持つジェームズ・キャメロン監督だけあって(※1)、その映像に対するこだわりは半端ない。

地球上の脊椎動物が、2対の脚を基本としているのに対し、衛星パンドラではヒューマノイドのナヴィ以外は基本的に3対の脚を基本にデザインされている。

また独特な植物のデザインとあいまって、一目でそこが地球ではないことが分かるようにデザインされているのはさすが。

最初は、恐ろしげな異世界なのに、主人公のジェイクが、ナヴィの女性ネイティリ(※2)と出会ったあとには、そこがとても美しい世界であると感じるようになる演出は見事。

不気味な青い色をしたキャラクターである、パンドラのヒューマノイド、ナヴィですが、これも劇中で感じ方が変わってくるのだ。

僕の場合は、スタートレックやスターウォーズで異星人のデザインに慣れているので、最初からあんまり違和感なかったけれど(笑)

設定とストーリーの伏線が巧みに構成されており、この辺の安定感はさすが。

個人的には、エイリアン2のラストでクイーン・エイリアンと死闘を繰り広げたパワー・ローダーが、現在の映像技術だとこんなに素早く動き回っちゃうよ!のAMPスーツが感慨深い。

この作品では、通常の映画のカメラワーク以上に、立体映像を効果的に見せる構図が意識されており、前述のAMPスーツのキャノピーなどの透明なガラス状の物体の奥にさらに立体の人間がいるような演出が多用されている。

単なる透明な仕切りの空気穴におおっと思うのは、まさに立体映像であるからなのだ。

この辺は通常の2D上映や、DVDでは確認出来ない部分なので、立体で視れる施設が近くにある方は、若干値段が高いものの、迷わずに3Dをチョイスした方がいいと思う。

僕は子供の頃から映画が大好きで、何度か、映画の表現の変わり目というものを目撃してきた。

それは例えばSFXやVFX・CGの導入であったり、新しい映像の表現手法であったりしたわけである。

しかし、立体映像の映画というのは、たとえば無声映画がトーキー映画に、白黒映画がフルカラー映画になったような、もっと大きなスパンの変革だと思う。

今後、映画は3Dが主流になっていくのだろうなぁ、と、子供の頃に夢見た未来を感じつつ、衛星パンドラから帰還。

(※1)タイタニック上映前に、これが原因でマスコミに叩かれまくったキャメロン監督ですが、蓋を開ければ、タイタニックは世界規模で大ヒット。

(※2)ネイティリって「スター・トレック」ウフーラ役のゾーイ・サルダナか!劇場では気付かなかった。どっかで見たような気はしたんだけど、ナヴィだから難しいわな。

※追記「アバター」の歴代興行収入が「タイタニック」を抜いて1位になったそうだ。(2010/01/26)